見どころ&イベント情報

見どころ&イベント情報 丸山晩霞記念館「小林邦二展-ひたむきに画道へ」

丸山晩霞記念館「小林邦二展-ひたむきに画道へ」

180428kobayashikuniji
4/28(土)より、「小林邦二展-ひたむきに画道へ」が丸山晩霞記念館で開催されます。
小林邦二は、現東御市田中生まれ。
若くして数々の絵画展で入選を果たし注目を受けるも、
画壇に馴染めず、ただひとり、画と向き合い続けた孤高の画家です。
初日の28日(土)14:00からは、
長年にわたり信州の美術家を取材している植草学氏(信濃毎日新聞編集委員)
と小林邦二の長男・小林一英氏によるオープニングトークも行われます。
予約不要、どなたでもご参加いただけますので、ぜひお越しください。

 

<小林邦二>
小林邦二(1916~2010)は、現東御市田中生まれ。16歳で画家を志し、上京。兄の援助を受け、また自らも苦学しながら、太平洋美術学校選科で学ぶ。1934 年阿以田治修に師事、太平洋画会展入選を機に東光会展、二部会展、春陽会展などに入選し、注目を受ける。42 年創元会展≪二重像≫が創元賞受賞。44 年応召、部隊で八木義徳、深田久弥と知り合う。48 年自由美術家協会に出展(63 年退会)。54 年国税庁職員を辞し、画家一筋の道を選ぶ。64 年、主体美術協会の創立に参加するも翌年退会。以後無所属を貫く。長野県を中心に発表を続け、晩年は上田市にアトリエを構え制作。

 

<開催にあたり>
 小林邦二は、大志を抱き上京し、苦学の中で将来を有望視されていたにもかかわらず、当時の文部省公募展であった「文展」ではことごとく落選したことから、早々にアカデミシャンの素質はないと見切りをつけ、戦争の足音が響く時代の中で自由な表現を追求しました。
 しかし、「派閥をつくり(その中心人物が)芸術的評価まで自在に牛耳ることには我慢できませんでした」と後年語ったように、最終的には団体とも決別し、孤高の道を歩んで来たのです。
 これは、穏やかでユーモアあふれる人柄に隠された、頑固で純粋な、画家としての精神による決断だったと思います。
 批評家・小林秀雄の「芸術の価値基準を、この人はほんとうに自己(個性)と闘っているか、ただ単に自己(個性)とたわむれているだけかで観る」という言葉に照らせば、小林邦二は現状に甘んじることなく、紛れもなく生涯を通じ自己と闘った人といえるでしょう。
 小林邦二はまた、「芸術家の名が、後年に語り伝えられるのはその作品を通してのみである」と語っていましたが、生誕100年を迎え、あらためて作品を通覧してみると、画家・小林邦二の芸術は現代においても全く見劣りのしない、今に生きるものであると改めて感じるのです。
 本展においては、孤高の精神に裏付けられた、「ひたむきな画道」が、ご来館の皆さまに伝わればこの上ないよろこびであります。開催にあたり、並々ならぬ情熱を傾けられたご遺族の皆さま、関係各位に深く感謝を申し上げます。

 

平成30年4月
主催者

 

~小林邦二展-ひたむきに画道へ~
開催期間:4/28(土)~5/20(日)
会館時間:9:00~17:00
定休日:会期中無休
料金:入場無料(丸山晩霞常設展は、入館料200円)
※チラシはこちらをご覧ください→小林邦二展 ひたむきに画道へ

 

○丸山晩霞記念館
〒389-0515 長野県東御市常田505-1
TEL:0268-62-3700
FAX:0268-62-3262
丸山晩霞記念館ホームページ
アクセス:
車 上信越自動車道東部湯の丸インターから2分
鉄道 しなの鉄道田中駅下車。徒歩15分